青山学院大学 学長 仙波 憲一
 

本学は『地の塩、世の光』をスクールモットーとし、社会に開かれた大学を目ざして、教育研究活動を通じた社会への貢献に努めてきました。しかし最近の多様かつ高度な社会的ニーズに応えていくためには、個々の取り組みだけでは限界があります。また大学の社会貢献、あるいは社会との連携には産学、官学、産官学連携など様々なケースが予想され、全体としてどのように取り組むのかは、本学の理念にも大きく係わる問題となります。さらにこれら社会との連携には、広く高度な視点からの法的判断、専門技術等を要する場合が想定され、大学組織としても責任ある体制を構築していくことが重要な課題となっております。

 現在大学には社会や企業などからさまざまな要請がなされていますが、本学が担うべき連携を選択し、持てる知的資源を弾力的かつ柔軟に投入するためには、社会との連携をトータルにマネージする責任ある全学組織の設立が切実に求められています。そこで2006年に、このような連携のための運営組織として「青山学院大学社会連携機構」を設立いたしました。機構は本学が取り組むべき、また本学に求められる各級レベルでの社会連携の窓口となり、その内容についての判断を下すとともに、事業支援の枠組みを決定する役割を果たします。また機構の傘下には、必要に応じ、実施組織として各種センターを設け、本学の連携事業を推進することを目指します。

 本学は2005年度文部科学省・現代的教育ニーズ支援プログラム(現代GP)に『渋谷・原宿・青山を繋ぐ商業観光拠点の育成〜本学の理念に基づく地域貢献の実践と社学連携体制の拡充』が採択されました。同プログラムは地域と交流・協働しながら、教育研究活動を展開する中で、まちづくりや都市環境・都市文化の創造など現代的な課題・ニーズに係わる諸事業の実施を通して、広く社会に貢献することを目的としています。またこれは、社会との連携を本学キャンパスの周辺地域とともに推進するユニークな試みであり、今後、本学が青山及び相模原キャンパスを通じて社会に貢献し、新たな知を発信していく上で、極めて意義深いプログラムであることは言うまでもありません。

 キリスト教信仰に基づく本学には、何よりもこのような社会的貢献に進んで取り組んでいくことが求められます。とりわけ渋谷・原宿・青山は、青山学院発祥の地であり、先端的な都市文化や情報を世界に発信する基地でもあります。本学が有する高度な文化創造力をもって、当該地域と連携する今回のプログラムは、各大学で個性ある教育研究を進めていくことが求められている現在、機構として最も相応しいものと思われます。このため、機構組織の設立と同時に「青山学院大学社学連携研究センター(Society-Academy Collaborative Research and Education Center、愛称 SACRE)」も設置することにいたしました。関係者の皆様の暖かいご支援とご協力をお願いする次第です。